再就職難民(2)…キャリアカウンセラーの仕事

●;キャリアカウンセラーの述懐的な「ブログ」(が圧倒的に多い)や、(再)就職支援会社の一方通行的(=PR的な)ガイド文を読むと、判で押したように「中高年の再就職は難関です」というフレーズがある。だから(私ら)に任せなさいという訳だが、よっぽどの甘ちゃん以外の求職者の胸の内は「簡単じゃないよな。ムズカシイよな」と、当たり前の感想(または予見)がある。それらの人々の声に踏み込んだ細分化された(=丁寧な)見解にはなかなか見つからない。
●;ある人材会社氏と話していたら「ウチらは代理店です」という言葉があった。「人材」という商品を得意先に売る代理店という意味らしく、つい広告代理店の業務をアナロジーしてしまう。雇用主を広告主と捉えれば、広告主の意向を踏んで「望んでいる具体的な人材像」を質量的に掴んでくる営業が「媒体である(候補)人材」をはめ込もう(=売る)システムと理解出来る。「媒体(=人材)側」が媒体特性を客観的にわかる「媒体資料」を用意しない場合は、わかりにくく売りづらい。
●;この「わかりにくさ」をどう開くかがキャリアカウンセラーの技術である。記号的な存在である「人材=彼(彼女)の<像>」を他者である雇用主側に伝える技術を彼らに持たせられるか。それがキャリア・カウンセラーの仕事のワザ。雇用する側は<他者>との認識を持たせられるかであり、通り一遍の素通りする「職務経歴書」の類が、いかにムダかを説得する。そのデザイン的(人目を惹く)表現型式までディレクションする塩川正人さんは、広告代理店によくいるクリエィティブ・ディレクターの役割を担っている。「媒体(=人材)特性」が良く表現された「媒体資料」は「営業マン」が雇用側の決定権者に口説ける。ディレクター的要素の少ない「キャリアカウンセラー」期待してもムリ。